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2023年5月に開催されました、ISPOR 2023(Boston, MA, USA)にて、千年カルテデータベースを活用したRCT対照群の再現に関する研究内容についてのポスター発表を行いました。
■ 演題名
Reproduction of the Control Group in REMDACTA Trial Using the Millennial Medical Record, an Electric Health Record Database, in Japan
■ 著者
Takeshima.T 1, Hasegawa.Y 2, Asami.K 2, Ha.C 1, Iwasaki.K 1
1 Milliman, Inc., Tokyo, Japan, 2 NTT DATA Corporation, Tokyo, Japan
■ アブストラクト
【目的】
電子カルテデータを元にランダム化比較試験(RCT)の対照群を再現し、そのRCTにおける対照群の実際の結果と比較した。
【方法】
重症COVID-19肺炎の入院患者におけるトシリズマブ+レムデシビルの有効性を確認したREMDACTA試験(Intensive Care Med. 2021; 47(11): 1258–1270.)を題材とし、プラセボ+レムデシビルが投与された対照群をライフデータイニシアティブ(LDI)によって提供された千年カルテ電子カルテデータベースから再現した。
データベースにおける主要解析対象の組入患者として、COVID-19感染症の診断を有し、画像検査が行われ酸素投与が実施された患者とした。また、除外患者として、レムデシビル投与前に肺炎治療薬が投与されている患者、腎機能・肝機能検査値が一定以上不良な患者を設定した。
アウトカムとして、対象患者における入院期間の中央値を求め、これを再現元のRCTにおける対照群の実際の結果と比較した。
【結果】
データベースより787例のレムデシビルが投与された入院患者が特定され、元のRCTに基づき入院後2日後以降にレムデシビルが投与された患者を除外した結果、676例の患者が残存した。これに対し、設定されていた組入基準、除外基準を適用した結果、57例の主要解析対象集団が特定された。
この集団における入院期間の中央値を求めた結果、13日という結果であった。なお、REMDACTA試験におけるプラセボ+レムデシビル群の入院期間中央値は14日[11.0-16.0, 95%信頼区間]であった。結果として電子カルテデータを用いて入院期間の中央値を再現することができたと考えている。
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千年カルテデータベースは、従来の構造化データのみのデータベースと比べ、患者背景情報や治療実態を深く収集することが可能な非構造化データも含んでいます。
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